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もしかしたら、二度と会えないかもしれないという覚悟、「一期一会」

最近、一期一会(いちごいちえ)という言葉を、よく耳にします

音楽にも、同名の曲が出てきます
ただ、何かかっこいい、耳ざわりが良いという理由だけで、使っている感もあります

ここで、しっかりと、本当の意味を、探ってみたいと思います

一期一会は、千利休の言葉です

千利休 (2)


利休は、茶道の究極の心得を、茶道宗家の家訓として、この一語に託しました

利休には著書がなく、相伝の言葉として、弟子たちに説いたのです

弟子の山上宗二(やまのうえそうじ)は、

「路地ヘ入ルヨリ出ヅルマデ、一期ニ一度ノ会ノヤウニ、亭主ヲ敬 ( うやま ) ヒ畏 ( かしこまる ) ベシ」

という一文を、著書「茶湯者覚悟十躰(ちゃのゆしゃかくごじってい)」に、利休の言葉として残しています


一期は、人が生まれてから死ぬまで、つまり、一生を意味します

もう二度と会えないかもしれない、一生に一度の出会いを、大切にしなくてはいけないという教えです

また、これから何度も会える人でも、次に会うときは、その人も変わり、自分が変わり、周りの様々なものが変わり、二度と同じ出会いは無いのです


日本人の心の根底に、「すべてのものは変化し、同じところにとどまることは無い」という、無常観があります

平家物語の冒頭部分は、それを見事に表現して、秀逸です

平家物語・祇園精舎_convert_20160419100025

「祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。」

(ぎおんしょうじゃのかねのこえ、しょぎょうむじょうのひびきあり。しゃらそうじゅのはなのいろ、じょうしゃひっすいのことわりをあらわす。おごれるひともひさしからず、ただはるのよのゆめのごとし。たけきものもついにはほろびぬ、ひとえにかぜのまえのちりにおなじ)

すべてのものは、移ろい変わっていく、春の夜の夢のように、風の前の塵のように


気まずく分かれて、次に会ったら謝ろうと思っている人が、その後、合わないうちに死んでしまったら、悔やんでも悔やみきれません

いつも会っている、親や兄弟、夫や妻、友人知人、子や孫、年中いるからと、いい加減な対応をしていませんか

例えば、その人たちが亡くなって、二度と会えないようになってみると、「ああ、あの時に、もっとこうしておけば良かった」と、思ったりしませんか

特に、母親に対して、うるさいからと、いい加減な対応をして、亡くなってから、後悔していませんか

アロアロヨシさんは、時々思い出して、胸を痛めることがあります


また、同じような言葉に、「一回性(いっかいせい)」というのがあります

「同じことは、二度と起こらない、一度起こったら、元に戻せない」という意味です

ある人と、ある場所で、たいへん楽しい時間を過ごして、もう一度、同じ体験をしたいと思って、その人と、その場所で、同じことをしても、まったく楽しくなかった、という経験はありませんか

あらゆる事象は、どんどん変化していきます
人も、変わっていきます
成長する人、衰えていく人

毎日毎日、同じことを繰り返しているつもりでも、同じではないのです


2020年のオリンピック、東京招致が決まりました。

その時に、「おもてなし」という言葉が、たいへん重要な役割を果たしました

日本人の心に流れている、一期一会の精神に根差した、「おもてなしの心」で、世界の人々との、素晴らしい一会にしたいですね


「一期一会」、「一回性」、を大切に生きて、悔いの無い歳を、重ねようではありませんか



tag : 家訓

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